2009年04月23日

実験ベンチから離れて

日本では「余剰博士」などと危機感をあおりまくりでたまに報道されますが、じゃぁアメリカではPh.D.(博士号)ホルダーは全員が教授になれるのかというとそんなわけはない。ファカルティ(教授)になるのはごく限られた人数だけです。当たり前だけど。つまり、実験ベンチを離れて、それまでの専門性を活かしながら出来る、大学スタッフ以外の職業も視野に入れないといけないわけです。

前おきが長くなりましたが、
回覧されてきたメールより。

Career Trends: Careers Away from the Bench

Increasingly, Ph.D.-level scientists are searching for career opportunities beyond bench research. Not only are scientists interested in pursuing nonresearch-based careers, but the contrast between the number of graduate students and postdocs, and the limited availability of tenure-track faculty positions means that these are no longer "alternative" career options. (略)


AAAS / Science magagine のこちらのサイトでメールアドレス等を入力すると、無料のブックレット(PDFファイル)をダウンロードできるようになります。

上記の英文の全文も、同じサイトにあります。

アメリカならではの何か予想もしなかったような職業が紹介されているわけでもなく、日本でも言われているような、技術職や弁理士やサイエンスライターなどが例としてあげられていました。(サイエンスライターが狙い目か??)

精読しないにしても、まずはダウンロードしてみてはいかがか、と思います。



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2009年03月27日

ノーベル賞から半年

以下は、昨年のノーベル賞発表のあとの、(たしか)毎日.jpでみつけた記事です。時間の経過とともにリンクが切れてしまったので、以下に転載したいと思います。

結構えぇこと書いてます。


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社説ウオッチング:ノーベル賞ラッシュ 科学界の現状に懸念も
 ◇「効率や応用に偏るな」−−毎日
 ◇「思い切った投資を」−−朝日

「日本国民として、たとえようのない大きな喜びであった」
「これは、ある意味では早くも文化国家としての日本再建に絶望感を抱きはじめようとしていた日本国民に対する警告であり、大きな声援でもあった」

 1949年11月5日の毎日新聞社説は、日本人として初めて湯川秀樹博士へのノーベル賞受賞が決定したことを取り上げた。敗戦の傷跡がまだ深く残る「貧乏国日本」にとって、「紙と鉛筆さえあればすむ」理論物理学の分野での受賞は、「日本人に自信を与え、不必要な劣等感を払しょくさせる」とたたえた。そして「日本の学界にすぐれた学者が、今後続々と出ることをわれわれは期待したい」と締めくくった。

 それから59年。今年のノーベル賞は物理学賞に南部陽一郎、益川敏英、小林誠の3博士、化学賞に下村脩(おさむ)博士の受賞が決まった。2日連続で日本人4人というノーベル賞受賞ラッシュである。日本人の受賞者は計16人になり、「『高根の花』と思われてきたノーベル賞は身近なものとなった」(毎日社説)。各紙とも2日にわたり、この快挙を社説で取り上げた。それぞれの受賞をどうとらえたか。

 ◇基礎研究の重要性
 3博士の物理学賞受賞について毎日は、湯川博士以来、日本の「お家芸」とみなされてきた素粒子物理学が対象になったとして「日本の基礎科学の底力が改めて確認されただけではない。宇宙の成り立ちに深くかかわる成果であり、子供たちの科学への夢をはぐくむ効果もある」と評価した。

 朝日は「日本には理論物理の伝統がある。『紙と鉛筆』の科学だ。3人はその継承者といえよう」と位置づけた。読売も「知の伝統が生きた」、東京も「この分野でわが国が世界をリードしていることが内外に示された」と胸を張った。

 一方、下村博士の化学賞受賞について毎日は、対象の「光るたんぱく質」が「生物学や医学のさまざまな分野で欠かせない道具となり、現代の生命科学研究に革命をもたらした」と解説した。博士がオワンクラゲの発光現象の謎を突き止めようと地道に実験を繰り返し、数十万匹も捕獲したエピソードを紹介し、「知的好奇心と研究への情熱は並大抵ではない。その基礎研究が遺伝子工学と結びつき、応用へと発展した」と、基礎研究の重要性を強調した。

 日経は、下村博士が旧長崎医科大学出身で、ほとんどが旧帝大出身という日本人受賞者の中では異色だとして「地方大学を大いに元気づけよう」と記した。

 ◇若手の育成が急務
 しかし、受賞を喜んでいるだけでは社説の意義を果たし得ない。この機会をとらえ、今日の日本の科学分野における課題や、読み取るべき教訓を読者に提示することが社説に最も問われた点である。

 毎日は、基礎研究の重要性と対比する形で「日本の科学技術政策が経済偏重に向かっていると思われる」と懸念を示し、「政府は大学の研究にも効率や応用を求めている。しかし、第一級の発見は経済効果を第一に考える環境からは生まれないはずだ」とクギを刺した。さらに、今回の受賞が60〜70年代の業績に与えられたものであることを踏まえ、「現在の研究環境はノーベル賞に結びつく人材を育てるにふさわしいか。改めて考えたい」と問題提起した。

 この点は朝日も、独創的な研究は若いときに生み出されるとして「いま優秀な若手をいかに育て、優れた研究をどれだけ支援していくのか。それが日本の未来の科学力を左右する」と指摘した。日本の研究開発予算は欧米や中国と比べて見劣りし、「もっと思い切った投資がほしい」とも訴えた。日経も「若手研究者育成に力を注ぐことが重要だ」と力説した。

 読売は若者の理科離れに加え、「今、日本の若手研究者に異変が起きている」と、米国への留学生が5万人近くいた00年前後のピークから一昨年は約1万人減ったと指摘し、米国での厳しい競争に勝ち抜く能力を備えた研究者が減っていることを憂慮した。産経は「国民の科学技術離れが進み、ものづくりの分野においても基礎が揺らぎ始めている」とし、「今の大学や研究者育成のあり方では、将来が気がかりだ」と注文をつけた。

 東京は、南部、下村両博士が米国への「頭脳流出組」であることをとらえ、「日本人研究者が海外で活躍するのは歓迎だが、その理由が国内では自由に研究できないためであれば、研究体制を根本的に反省しなければならない」と促した。

 ◇43年前の教訓
 「日本にいては十分な研究ができないために、若い優秀な頭脳が、海外に『流出』する現象は最近目だった傾向である」。朝永振一郎博士が日本人2人目のノーベル賞受賞者に決まったことを受けた65年10月23日毎日社説はそう嘆き、研究環境整備の即時実行を求めた。今に通じる課題である。【論説委員・小泉敬太】

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別に、自分のことを若い“優秀な”頭脳だとは微塵も思っていませんが、“流出”したくて自分から流出したのは確かです。

でも、もう少し長く流出しつづけるには、英語をもうちょっと頑張らないといかんなぁと思うわけで。。

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2009年03月26日

人材サービスを利用する

つくばの研究所の厚生会館(ようするに大学生協のような建物)の廊下に貼ってあるポスターで知りました。

大学院生・ポストドクター・院卒社会人のための就職紹介サービス
http://d-f-s.biz/

大学院生・院卒社会人専用の就職サイト
http://www.acaric.jp/


アカリク、という名前はキャッチーだなぁと思いますが、実際にウェブサイトを見てみると、あまり良い感じの求人情報があるようには思えませんでした。
『「アカリク WEB」は修士、博士、ポスドク、大学院卒社会人のための就職、転職、求人情報サイトです。』
と書いてはいますが、う〜んという感じ。
例えば、「ポスドク」に対する求人を見てみると、半分くらいは理化学機器を扱う会社などで真面目に博士を欲しているようですが、あと半分くらいは学部卒でも博士でも何でもいいから人手が欲しいという感じの会社で、研究のけの字も見えてこないものでした。まあこれからに期待。

1つ目の、DFSというのは何となくよさそう。に見える。 博士号は取るけれどもアカデミアに残りたいわけじゃない、これまでの研究で経験したことを企業で活かしたいという人が、本当にそういう人を欲している企業とうまくマッチングするためには、こういうサービスを利用するのはひとつの手だと思います。

ただ、何とはなしに登録したらトントンと事が進んで就職先がきまった、というケースも起こるかもしれないので、自分が企業で働くという毎日のあり様を頭から煙がでるくらい想像してから登録するのがよろしいアルかと思います。
私はポスドク1年目のときは、ほとんど1年を通してこの「頭から煙がでるくらい想像する」という作業をしていました。結果として、もうすこしの間アカデミアで頑張る、という結論に達した訳なんですが…。

しかし就職紹介サービスの人たちは言うでしょう、
一人で悩むのもよいですが、まずは登録してもらって、我々との対話(コンサルティング)のなかで企業で働く自分の姿・自分が本当にやりたいことをより具体的にイメージしていってもらえれば、、そのためのサポートはできますよ。
市場での自分の価値を一度確かめてみてはいかが、、と。



(いやぁー、もうちょっとだけアカデミックでがんばると決めちゃったんで〜。。。。)


とにかく、利用できるものは利用する。ただし、後で後悔しないように。
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2009年02月11日

なぜ日本に帰ってきているのか

わたしはいま、日本学術振興会の特別研究員PDという身分で、つくばのとある研究所に所属・研究しています。2007年夏から先月までの1年半のアメリカ滞在は、この身分のまま、いってみれば『長期出張』というカタチで実現したものです。

しかしこの特別研究員という制度は3年間の期限付き雇用ですので、今年の3月31日でこの身分も終了です。きたる4月からはペン州大の雇われ人となります。

次の雇われ先がペン州大なので、そのままひきつづきペンシルバニアに滞在してればラクといえばラクなんですが、そういうわけにもいきません。なぜなら特別研究員としての身分で海外に『長期出張』できるのは1年半以内、という決まりがあるからです。だから、槍が降ろうが、1月中に帰国する必要があったのです。

ちょうど日本にも帰りたくなっている頃だから、別にいいだろうとタカをくくっていたんですが、今回の帰国直前はかなり研究がいいところまで進んできていたので、正直言うと、帰国はもうちょっと先延ばししたいくらいでした。

でもまぁ帰ってきたら友達や家族にあえるし、焼き鳥は旨いし、ビールは濃いし、温泉に入れるし、、etc 楽しいこと山盛りです。とくに今回は2ヶ月間の日本滞在なので、気持ち的にもゆったりできます。


2,3月の2ヶ月間は、つくばの研究所で、渡米前まで(2年とちょっとの間)おこなっていた研究の続きを少しとまとめをすることになっています。つくばでの実験の合間をみて、阪大や都立大にも行くことになっています。あとは、実家に行ったり、2泊3日くらいで温泉旅行にもいくつもりです。そんな感じで、2ヶ月はあっという間に過ぎていくのでしょう。

ですので、
4月になったらアメリカに発ちます。実際には、いろいろと手続きが面倒くさくないようにするために3月中に発つと思いますが。

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2008年12月09日

微生物学者と生化学者が出会ったら

というタイトルが付いている訳ではないですけれど、興味のある方は、こちらの動画をご覧ください。


現在のラボのボス(生化学者として登場)は、モンタナ州立大のとあるラボにサバティカルに行っていた間に、そこの教授(微生物学者として登場)との共同研究により、「門」レベルで新規な光合成細菌を発見しました。この研究は著名な科学誌「サイエンス」に掲載されました。この動画では、この2人の教授達に加えてNSFのリサーチ・コーディネータのような人と、司会者、の4人による質問形式の対談(プレスリリース?)がおこなわれています。

内容としては、
・今回発見されたバクテリアがなぜに重要か
・今回の新規生物発見に際して、(微生物学者と生化学者の)2つの頭脳・経験がコラボレーションすることがいかに重要であったか
・イエローストーン国立公園がいかに研究の場として有用か
・バクテリアを研究することがいかに大事か
などのことが述べられています。


英語のヒヤリングの練習としても良いのではないかと思います。
クロズード・キャプション(CC)もついています。
これのだいたい50%くらい聞き取れるなら、とりあえず海外のラボに行ってみるとよいのではないでしょうか??
全部聞き取れる必要はないと思います。(もちろん全部わかるに超したことはないが…)

うちのボスはだいたいこのような感じで、速すぎず、かといって遅すぎるわけでもないスピードではっきりと喋ってくれるので助かっています。(それでも最初の頃は結構聞き取れない部分もあったりして焦ったが。。)

ボスは、話がノッてくると、机をドンドンと叩いてリズムをとる癖があるのですが、動画のなかでも「ドン」「ドン」という音が混じってくるのが分かるので、個人的にはそれが面白かったりもします。。

posted by つか at 14:52| Comment(4) | TrackBack(0) | 研究 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年07月03日

サバティカル--若いときに

昨日と一昨日とサバティカルの話が続きました。

「先生」と呼ばれる立場になって研究室を主宰するようになり数十年も経つと、ともすると周りが見えなくなることもあるでしょう。そういうときに少し離れたトコロから自分の研究を眺めることができるのもサバティカルの良い面だと思います。
さらに、よその研究室に行くことによって、新しい技術・視点を学ぶことができるのもこの制度の良い点だと言いました。

しかし、若いうちに(大学院生やポスドクのときに)研究室を渡り歩いている間は、まさにサバティカルそのものを地でいっているようなモンだなぁとも思います。

私自身これまでに、次の移籍先を探すときは、新しい手法・研究材料・研究背景が修得できるところを選んできたつもりです。

つくばの研究室は、それまでのバックグラウンドとは全然違うラボで、まさにサバティカルに来たような感覚でした。(というか、知らない森に迷いこんだ子羊というか、、)

ポスドクとしての研究生活が始まるとき、プロジェクト上の義務として私がやらなければいけないことがあって、それが論文になるような仕事ではなかった(かつ時間もそんなに取られない)ので、もう1つ何か好きな研究を自由にやっていいよ、という話でした。それでまぁ、好きにやらさせてもらったわけですが。。

しかし、当初研究室の中であまりに自分が門外漢すぎて、何をしていいか分からず、結局はそれまでの研究の延長のようなことを黙々と1人でやっていました。その結果ますます一匹狼感が増してしまいました。もうちょっと研究室の大方針に沿うような研究テーマをやればよかったなぁと最近おもいます。せっかく学べることはたくさんあったはずなのに。


まぁ、完全に「一人で」やる強さは身に付いたかなーとは思います。。

一方でプロジェクトの方では、共同で進める面白さ(・しがらみの多さ)を学ばせてもらいました。


(しみじみと過去を振り返る感じになってしまいましたが、籍はまだつくばの研究室に残っています(学振上)。しかし帰国するころにはすぐに学振も切れるので、次の行き先を考えないといけません。)

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2008年07月02日

サバティカル--日本

昨日のエントリへのコメントにより、すこしググってみたところ、日本でも独立法人化の折りに多くの大学でサバティカル制度の大枠を作っていたことがわかりました。

これは良いことですね。

しかしサバティカル中は、給料が半額になったり労災が効かなかったり、といろいろ使いづらい面もあるようです。


……

というか半額になったら誰もやらないだろう…。2割減でもイヤだ、私は。

ちゃんと作る気があったのだろうか。。

給料減額は、雑務を放棄するための代償なのかぃ。その分、他の教員の雑用が増えるわけだから、言い訳が効くかね。。



いやまぁ一歩前進と捉えるべきでしょうかね。

皆さんの意見はどうでしょう。

posted by つか at 06:48| Comment(8) | TrackBack(0) | 研究 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年05月12日

日本のアカデミアにおける時間の自由度は、、

『ウェブ進化論』の著者である梅田望夫のブログ「My Life Between Silicon Valley and Japan」の「グーグルに淘汰されない知的生産術」というエントリより抜粋。

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また、これからの知的活動において、どこの組織に属しているかという要素は、これまでほど重要ではなくなると思っています。なぜなら、グーグルなどウェブの力により、誰もが無料で多くのことを勉強できるようになってきたからです。現時点では、あらゆる分野に敷かれているわけではないですが、「学習の高速道路」と呼ぶべき、構造化された知のシステムがいろいろな分野で構築され、提供されています。世界中の大学の講義もどんどん公開されています。
 これからの知的生産は、組織ではなく時間の勝負になるのではないでしょうか。僕は「在野の時代」が来ると思っているんです。大学などの組織に属していなくても、時間が自由に使える状態にあれば、それはとても大きなアドバンテージになる。早期にリタイアした人や、結婚して仕事を辞めた主婦などに、高度な知的能力を備えた人が少なくありません。事務処理や会議に忙殺されて知的生産の時間がとれない大学教授よりも、時間を自由に使える在野の人が輝く時代が訪れるのではないでしょうか。
 大学の先生は「一般人に負けるわけがない」と思うかもしれないけれど、じっくり考える時間が持てずに、本当に知的活動ができているのか、真摯に考える必要があると思います。もちろん専門分野の知識では、一般人は勝てないかもしれないが、より総合的な知的能力や言語化する能力、その結果の知的生産物という点では、どうでしょうか。これからの時代、知的活動において、時間がない人こそが圧倒的な敗者になるのではないかと思います。
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私はアカデミックポストを目指して今のところポスドクをやっておるわけでございますが、自分が将来的に果たして教授になれるんか(またその能力があるんか)ということは度外視して自分の未来を考えたときに、まさにこのような事で暗澹とした気持ちになります。特に、「事務処理や会議に忙殺されて知的生産の時間が取れない〜」という部分ですね。

米国の大学にきて思ったことは、ボス(教授)は、ほとんど会議に束縛されていない。大学にいるほとんどの時間を知的生産に使っていると思います。

もちろんこれには大学総長や学部長の決定権が強いことが関係しているのだと思います。ものごとがトップダウン気味に決まる。これは日本の大学風土には会わないかもしれません。

このように書くと、じゃあアメリカの大学の先生を目指すの?目指したら?と訊かれてしまいそうですが、今のところそこまでの気持ちにはなっていません(まぁあと1年で英語が今の2倍達者になれば考えなくもない、ぐらいの感じです)。それよりかは、日本に帰って大学で働くか、日本に帰って大学以外で働くか、という葛藤が大きいです。これを迷う原因は、今の大学のシステムだと、しょーもないことに時間を奪われる可能性が大きいからです。それは嫌だ。


もう1つ、「時間の自由度」という観点で日本に帰った後の事を考えて不安になるのは通勤時間です。今の私の通勤にかかる時間はドアtoドアで20分です。これがもし東京近郊に勤務することになり満員電車に揺られることになったらと考えると……、考えたくないです。。。

今読んでいる本『切磋琢磨するアメリカの科学者たち』のあとがきでまさに著者はこう言っていました。
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米国にいた時は、自宅から大学のオフィスまで、door-to-doorで10分であった。それが、帰国していわゆる官舎に入り、いきなりdoor-to-doorの時間が2時間になってしまった。帰国した当初1ヶ月もしないうちに、この通勤時間の長さに嫌気がさして、大学をやめて米国に戻ろうかとも考えた。結局、駅始発の電車に乗ることで座り、通勤中もラップトップコンピュータを開いて仕事をすることを学び、何とか時間を有効に使っている。実は、この本は全部通勤中に執筆したものである。
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私は電車では座ったとたんに寝てしまうので、この方法は無理です。ハイ。



posted by つか at 14:29| Comment(4) | TrackBack(0) | 研究 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年05月06日

論文受理

投稿していた論文が1つアクセプトされました。

去年の3月に、前のボスに原稿を送ってから、すでに1年以上経っています。。

長かった。。

というか、一番最初に原稿を渡したのは、当時の研究室を出る前(2005年)だから、そこから数えると3年以上は経っていますね。

長すぎる。

それから追加の実験をしたり、なんやかやと。。

長かったぶん喜びも一塩、とはいかず、「やっと出た」感が強すぎて力が抜けた感じです。フィ〜って感じです。

しかし、フェローシップの申請書期限には間に合ったので、業績欄にこれが書けるからよかったです(たぶん)。


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2008年04月18日

キャリアパス事業いくつか

もはや一昨日の話ですが(日本時間だと3日前…)、JSTの産学官連携メルマガに博士のキャリアパス多様化事業のことが載っていましたね。

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■特集:キャリアパス多様化
『インタビュー 旭化成株式会社 顧問 府川 伊三郎氏
化学メーカー中心に博士採用は増加 課題は博士人材の質』 
登坂 和洋(本誌編集長)
★「博士」の付加価値が不明確なため企業が採用に消極的で、優秀な人材が
博士課程に進学しないという問題に対し、日本経団連は昨春、大学、政府、
企業がそれぞれなすべきことを提言。日本化学会は、企業のことを早めに
知ってもらうことを目的に「博士セミナー」を開催した。このセミナーの狙いは
「いい人なら採用しますよ」というメッセージを送ることだった。
化学メーカーによる博士の採用は増えているが、事態が改善したわけではない。
http://www.sangakukan.jp/journal/main/200804/pdf/0804-03-1.pdf

『早稲田大学 都心の地の利生かし、産業界、学会と連携』
登坂 和洋(本誌編集長)
★文部科学省の「科学技術関係人材のキャリアパス多様化促進事業」に
平成18年度採択された早稲田大学が目指すのはノンアカデミックのパス。
若手研究者に産業技術分野で幅広く活躍してもらう環境を整備する。
都心に立地する地の利を生かして多くの企業、学会と連携し、
多彩な顔ぶれの行事を行っている。
http://www.sangakukan.jp/journal/main/200804/pdf/0804-03-2.pdf

『名古屋大学 ノン・リサーチ掲げ個別コンサルティングに力点』
登坂 和洋(本誌編集長 )
★名古屋大学が取り組むキャリアパス多様化促進事業のテーマは
「ノン・リサーチ」。研究以外の分野でのキャリアの可能性を提示している。
実際には、アカデミック・キャリアを志向するポスドクらが多いので研究職も
扱っているが、個別のコンサルティングが大きな成果に結び付いている。
http://www.sangakukan.jp/journal/main/200804/pdf/0804-03-3.pdf

『東北大学 博士に付加価値をつけて社会に送り出す』
高橋 富男(東北大学 産学官連携推進本部
高度技術経営人財キャリアセンター 副センター長)
★東北大学の高度技術経営人財キャリアセンターは、「博士」に付加価値をつけて
社会に送り出すのが目的だ。実務体験が豊富な企業人を招いた「高度技術経営
塾」を実施し、ポスドク等の若手研究者や博士課程後期の学生のキャリアアップ
計画作成に役立てる。また、「キャリアアップ相談室」を設置し、専門のカウン
セラーが個別相談に応じ、ビジネスマッチングの支援なども行っている。
http://www.sangakukan.jp/journal/main/200804/pdf/0804-03-4.pdf

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名古屋大の事業のことも載っていますね。
この事業、「ノン・リサーチ」をうたっていますが企業の研究職などを希望する場合でも対応してくれるのではないか、ということを以前書きましたが、やはり対応してくれるようです。言ってることが間違ってなかったようで、よかったっす。
でも基本はあくまでも研究職以外の職種にも魅力を感じている博士号取得(予定)者を対象としたものですので。。(誤解のなきようにお願いしますデス…)
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2008年03月22日

大学の授業料いろいろ、と大学いろいろ

東大や東工大が授業料免除制度を打ち出したことが産経新聞のニュースになっていた。
http://sankei.jp.msn.com/life/education/080321/edc0803212215005-n1.htm
慶大も入学金の撤廃を目指した一部値下げを開始するらしい。
素直に思うが、良いことである。

米国では少し前にハーバード大が授業料免除制度を発表したらしい。
しかしこちらは何かしらスケールが違いすぎる話だ。
On Off and Beyond の記事「Harvardの戦略的学費値下げ:年収2000万円までのミドルクラス対象」をご参照あれ。

ハーバードがこの措置によって負担増となる額は24億円になるらしい。。しかしこれは、4兆円近くある今までに貯まりにたまった寄付金の運用利回り0.06%でしかない、と。。。つまり4兆円の元本が減ることはないのだ。
寄付金を運用する専門のファンドマネージャーまでいるそうな。。。

誤解がないようにしておきたいが、アメリカの大学は授業料タダが普通と言いたいわけではない。逆に授業料は日本に比べてめっちゃんこ高い。良い大学ほど授業料が高いという風潮にある。ただし授業料免除制度などは拡充させていると思う。(何度も言いますが、「大学院」は授業料実質タダが当たり前。というか給料付き!)

こちらに来て感じたことだが、アメリカの大学を取り巻く“愛校心”はすさまじい。ペン州大にしても、愛校心を煽るような施策をたくさんやっている。そりゃ寄付金も集まるわなぁーと思う。大金持ちになってお金があり余ったら母校に寄付でもしようかなという環境になっている。それと、こちらでは大学スポーツが盛ん。プロスポーツと並ぶくらいTV放送されている。ひとつ、日本も“夏の甲子園”の大学版のような大会をつくるというのはどうだろう…。

最初の記事の話に戻るが、ここのところどうも、東大などが何かする→大学間格差拡大を叫ぶ→国が財政支援を、という構図が目につく。そりゃ格差が広がるのはよくない(かもしれない)。世界に対抗できるのが東大の科学技術水準だけ、という状態になったら日本は終わりでしょう。しかし、うーん、地方を盛り上げるために国のお金を使ってたら「じゃあウチも。ウチの県も」ということになって収集がつかなくなるから結局各自で頑張ってもらうしかない、ということなんじゃないかと思うのだけどどうなんでしょう…(東大だって「ウチにも金をくれ」という権利があるのだから、結局同じなのでは、とも思う)。。もうちょっと頑張ってホントにヤバそうになったら、財政支援をするのかな…。

それにしても、もっと具体的に“大学間格差が拡がる”とは何なのか、知りたい。そういうことまで言及した記事やコラムをあまり見かけない。
調べるために本屋に行って新書などを買い漁りたい。あー本屋行きたい。。(ぇその結論ですか?)

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2008年02月20日

よその国に恥じない大学院を

アメリカの大学で研究をしている大学院生は(月に2000〜2500ドル程度の)給料を貰いながら研究しているという話を以前しました。

聞くところによると中国の大学でも、アメリカよりも金額は少ないものの大学院生は給料を貰えるそうです。しかし、中国人大学院生Y君いわく、「中国の大学院の給料じゃ、生活していけない」のだそうです。だからわざわざアメリカまで来てるんだよ、と。中国の教育システムは全然ダメだよハハハ、と笑っていました。

そんなY君に、日本の大学院は給料ゼロだよ、と教えてあげたら絶句していました。

絶句されないようなシステム作りが、日本でも必要です。

以下は、少し前のアサヒ・ドットコムの記事からの抜粋です(リンク切れにより正確な日付は分からなくなってしまいました)。大学ごとに、優秀な大学院生には研究奨励金の支給や授業料免除などの措置を執りはじめているようです。

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東京農工大(国立、東京都府中市)が新年度から優秀な大学院生に年額最高240万円を支給する。優秀な学生を獲得しようと、新年度から大学院生に新たな経済的支援を始める国立大が相次ぐなかで最高レベルの支援になる。国からの運営費交付金が減らされる中、国立大の間で身を削りながらの「仁義なき戦い」が繰り広げられそうだ。

 農工大では企業との共同研究や寄付金などから約1億3000万円を工面して独自の研究奨励金制度を創設。工学府などの優秀な院生約130人に年額60万〜240万円を支給する。授業料免除との併用も可能。

 文部科学省の調査では、国内の博士課程在学者(05年度)のうち「生活費相当額」とされる月額15万円以上を受け取っているのはわずか9%。海外の有力大学に比べてはるかに少なく、「このままでは頭脳獲得競争に負けてしまう」(東京大の平尾公彦副学長)と懸念されていた。

 これに対し、東京工業大と室蘭工業大が新年度から博士課程の院生を研究補助者(RA)などにして給与を払うことで、進学者や在学者全員の授業料を「実質ゼロ」にする制度を導入。それぞれ約2億円と約5500万円の財源は経費節減などで工面する。東大も同様の支援拡大を検討中で、農工大も奨励金に加えて同様の支援を検討している。

 一方、北陸先端科学技術大学院大では新年度から優秀な進学者に年額最高180万円の奨学金などを支給(授業料免除との併用は不可)。横浜国立大大学院工学府では今年度から、優秀な博士課程進学者に最高120万円を支給(同可)している。

 こうした動きについて埼玉大の田隅三生学長は「国が統一的な方策を考えるべきだ」と批判。「優秀な学生を囲い込みたいという各大学の本音がむき出しで、まさに『仁義なき戦い』になってしまっている。このままでは大学間の格差がますます広がってしまう」と懸念している

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国が統一的な方策をとるべきだとは、あまり思いません。

国が何かするとしたら、ただ単に、もう少し研究費を柔軟に使えるようにすればどうか、と思います。
米国でも、あくまでも教授が獲得した研究資金の中から大学院生の給料を払っているわけであって、大学が何かしてくれるわけではありません(むしろ研究費の半分をピンハネしたうえに、授業料もきっちり徴収する)。優秀な教授のもとには、学生が集まる(学生を雇えるだけのお金がある)、というだけのことです。

大学としては、優秀な大学院生を集めたければ、優秀な教授を雇えばいいだけのことです。しょうもない教授にはやめていただく。しょうもない教授をたくさん雇っていては競争に負けてしまうのは自然なことです。


とまぁ、私なりに思ってみました。





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2008年02月13日

せっかくなので、セミナー情報を掲示します

前回の投稿のコメント欄で、話題にのぼりましたので、詳しく掲載しておこうと思います。

1.
任期付き若手研究員就職支援キャリアセミナー
開催日時:3月8日(土)10:30〜16:30
会場:つくば国際会議場

事前登録が必要なようです。

↓さらにこんなのもあります。
今週末ですが。

2.
研究者としてのキャリア設計セミナー 
〜研究者としての将来の選択肢増やしませんか〜

開催日時:2月17日(日)13:00−17:00
会場:つくば国際会議場 大ホール・ホワイエ

予約不要だそうです。


企画運営は、
1.がWDBで、2.がリクルートエージェント。

個人的には、以前にWDB主催のセミナーに参加して、イマイチな内容だった印象なので、2.のやつがどんな感じなのか興味があります。
日本に居ないので行けませんが。


2.の会社は、いわゆる“転職エージェント”というやつですね。

ちなみに、「ポスドク」は転職エージェントをご利用できます。
民間(大手)企業やバイオベンチャーの研究職の求人もそれなりに抱えているようですので、それらへの就職を考えている人は、利用しない手はないでしょう。
リクルートエージェントは、幅広い業種を扱っているようですので、バイオ系にどれだけ強いのか分かりませんが、研究職に特化したエージェント会社なんてのもあるようです。

それから、噂によると、
博士課程の学生は、転職エージェントをご利用できるようです。
このことからも、就職市場において博士課程の学生がそれだけ微妙な立場だということが浮かびあがってきますが、とにかくも利用できるなら利用しない手はないでしょう。
かたや、新卒で博士学生を採る会社もあるわけですから、いろいろな選択肢があってよいことだと思います。


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2008年02月08日

ノン・リサーチ キャリアパス

実は、渡米直前の“どーでもいい”お話を、後から書き足すかたちでひそかにアップしていました 
2007年7月の記事へ
お時間があるときなどにどうぞ

しかしその中で、「博士学位取得者のキャリアパスを考える」というシンポジウムに参加したという事を書きました。

そして詳細は後日また書きます、と言ったわりにはまだ書いていません。。。

このシンポジウムを開催したのは、
名古屋大学に拠点を置く“博士学位取得者に対するノン・リサーチキャリアパス支援事業”というもの。

「ノン・リサーチ」とはなかなか思い切ったネーミングだなぁ、と改めて思います。

的を獲ているなぁとも思います。

大学院重点化によって、世の中の博士号取得者は明らかに増えているのに、大学教員などのアカデミックポストの数は昔と変わらないわけですから。むしろ減っている。だから、ノン・リサーチ=研究職以外、も視野に入れて当然の状況なのです。

しかしながら分かっていても、博士課程時代に超貧乏生活を強いられながら3年間苦労して博士号を取ったことを考えると、「ノンリサーチ」という言葉は一瞬ウッてなりますな。今さら研究職以外かぁ、と。最近では、それも悪くないなぁ、と思えるようになってきたことは事実ですが。

ところで、 例えば「ノン・アカデミック」だけれど「リサーチ」ではある、ような仕事も世の中にはあると思うのですが、この事業はそのような研究職は対象としていないのでしょうか?

中の人に話を聞いたときは、個人面談などを通してのキメ細やかな対応を売りとしているとのことでしたので、きっと対応しているものと思います、ハイ。(その後確認はしていませんが)



自分としては、一応しばらくの間は、アカデミック・ポストを志望していきたいと思います。ウッてなったことで自分の気持ちを再確認できました。
(明日には何て言ってるか分からんが)

とにかくこの事業、内容のしっかりした(成果もでている)ものだと思いますので、博士号を持っている人で研究職以外も視野に入れているかたは是非登録したほうがよいと思います。

posted by つか at 09:06| Comment(5) | TrackBack(0) | 研究 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年10月09日

ポスドクさん、いらっしゃーい

先日、どこぞの大学でAssistant Professorを公募しているというメールが回ってきました。

募集内容をみていて驚きました。

「postdoctoral experience preferred」とハッキリと書かれている!

しばらくこの1文がキラキラしていました。

日本でも、募集条件には書かれていないにしても、選考時にはそのようなことが考慮されるような風潮になってきていることを期待します。舞台裏は見えませんのでね。

というか、

募集条件に明記せい。日本でも。

と思いました。


(明記してたらごめんなさい)






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2007年07月15日

ビザの面接

赤坂の米国領事館へ、ビザ取得のための申請・面接に行ってきました。

<事前情報>
外門に100人くらいの行列、敷地内に入ってまた建物の前に同じくらいの人数の行列がある。ウェブ上で予約した時間はあくまで目安でほとんど無視。面接の質問はだいたい3問くらい。ほとんど英語だが、日本語で質問される場合もある。人数が多い日は、最後の方の人は、面接が無しで「申請は終了です。ビザは1週間程度で届きます」という紙を渡されるだけ。面接後、ビザは多くの人が1週間で届くようだが、3日で届いたなどという人もいる。

<面接当日>
まず領事館の敷地内へ入る外門の前に、50人程度の列が出来ていました。周辺には警察官がうじゃうじゃ居ました。何か催事でもあったのか、いつもそんな感じなのかは分かりません。車の出入りは多かったと思います。すべての車が、ドラマ「24」ばりに厳しいチェックを受けていました。ドアノブの指紋も採取されてました。すげーっ、と思いながら25分経過。やっと門の中に入れました。門ではセキュリティチェックを受けただけです。携帯電話や電子辞書はココで預けて、番号札をもらいます。

門を抜けて進むと、領事館の建物の入り口で、書類に不備がないかのチェックをうけました。どういう順番で書類をクリアファイルの中に入れるかが掲示されているので、その通りに並べ直し、係の人に渡します。掲示内容がちょっとよくわからない感じで、結局順番が間違ってたりして、係の人が直してくれました。
あいまいな記憶ですが、順番は、、、
手前から
・パスポートを顔写真のページが見えるように開いて入れる
・DS-156,
・DS-157, 158
・ビザの種類によって違うが諸々の書類(DS-2019や学振の書類はここに入れられたと思います)
・面接の予約確認書のプリントアウト
こんな感じだったと思います…。

SEVIS支払いのプリントアウトと、申請費用の支払い時のプリントアウトは返されました。(払ってりゃそれでいい、ってことかぃ)申請費用のATM領収書は、DS-156の3枚目にテープで貼りました。貼付場所を書いた案内が置いてありますので、当日にそれを見ながら貼ればいいと思います。貼る場所が微妙なので、前もって貼っていかなくていいと思います。

事前情報によると、建物前でも行列ができているとのことでしたが、今回はまったく行列していませんでした。やはりインターネットの普及で書類に不備がある人が少なく、皆スムーズに入館できているのでしょうか。そのかわり、中に入るともの凄い数の人で溢れていて、私の場合、建物の中に入ってから1時間30分以上待たされました。

館内には、窓口が1〜10番まであります。
1番が申請書類を提出するところ。
2番が移民用のビザ、兼、書類に書き損じがあった場合などの臨時用。(ほとんどの人が「非移民」ビザなのでこの窓口はあまり使われていません。ですが、私は書類に書き忘れがあったために、まずこの2番に呼ばれてしまいました)
3〜5番が指紋採取用の窓口。
6〜9番が(非移民ビザの)面接窓口。
10番は、基本的に6〜9と同じだが、時間がかかりそうなややこしい申請者用の窓口、という印象(書類が足りなくてその場で書いた?人や、代理店経由で書類を提出した挙げ句に書類が行方不明になった人などが呼ばれていました)。

周りを見ていると、だいたいの人が30分程待っていると指紋採取に呼ばれ、その後また30分程で面接に呼ばれるという印象でした。
面接というからには、それ用の部屋に通されて、パイプ椅子かなんかに座らされて質問を受けるのかと思っていたら、競馬場の馬券売場のおばちゃんが居るところ(もしくは刑務所の面会場)みたいな風で、書類を通すための横長の穴と、会話をするための小さな無数の穴が開いた透明な壁越しに、質問されます。
昼飯時が近づいてくると、10人ほどの名前をいっぺんに呼んで窓口の前に並ばせ、1人あたり2分もかからない早さで面接していました。

私達は、1時間半以上経過しても面接窓口に呼ばれないので、遅いなぁ〜と思っていたら10番窓口に呼ばれました。そう、10番。しかもヨメの名前だけ呼ばれて、私の名前は無し。オイオイ大丈夫かよ〜と思いながら、とりあえず二人で10番へ。

担当官が言うには、ヨメと同じ指紋を持った人がこの館内にあと2人居るらしい…。

そんなもん、採取の時に、前の人の指の脂がセンサーにコビリ付いとっただけやろー、と直感的に思いましたが、しばらく何も言わずにいると、窓口の向こうで数名のスタッフが話をして同じ考えに達したようで、もう一度ヨメの指紋を取り直すことに。ふーやれやれ。

採取機のセンサー部分をウェットティッシュでよく拭き、無事採取終了。例の“1週間ほどでビザ届きます”の紙を受け取ることができました。担当官は、私が行く大学を知っているようで「すごい田舎でース」と日本語で言っていました。

指紋のどさくさのせいか、「ビザの面接」という感じの質問、例えば米国に行って何をするつもりですか、とかそういう会話を一切しなかったと思います…。

帰りに赤坂の「希須林」で坦々麺を食べて帰りました。


<後日>
ビザは、なんと2日後に自宅に届きました。本物のビザを見ると、ちょっとだけ気が引き締まります。
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2007年07月10日

キャリアフェアの中の人

ココでもご紹介したシンポジウム「博士学位取得者のキャリアパスを考える」の主催側の方が昨日、我が研究室を訪問されました。なんでも、当研究室の研究員さん(私の先輩、というかゴルフ仲間)の大学の時のサークルの後輩なのだそうです。いやー、世間って狭い!

食事をご一緒することができ、NEDOフェローの仕組み・良さ・良くないところ、などいろいろと面白い話を聞かせていただくことができました。NEDOフェローとは、一昔前までは高額ポスドクの代名詞でしたが、制度が大幅に変更され従来のような“ポスドク”のことではなく、今では産学官連携を推進するため人材がNEDOフェローでありその人材を育成するのが本フェロー制度の骨子となっています。起業支援や技術移転、知的財産権などがキーワードでしょうか。なんとなくそういう風に変わったというのは聞いていましたが、話を聞くことができて非常に身近に感じましたし、この界隈に漂う閉塞感を解消する方向にベクトルが向いているなと思いました。

ところで今回のシンポジウムは、文科省関連の事業の一環として催されるようです。彼も産学官連携部のチームの一員として仕事に携わっているようですが、どうやらNEDOはあまりイイ顔をしていないようですね(NEDOは経産省の管轄)。出た!必殺の縦割り!?
せっかくいい制度を作ってんだからー、そういうとこも柔軟にしないとー、、、ということで期待をもって今後この制度の将来を見ていきたいなと思います。

<追記>
こんな感じで書いてよかったのでしょうか?? まずかったら削除しますのですぐ言ってください。
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2007年07月06日

いろいろなところで、キャリアパスを考えてる

先日お伝えした“ポスドクのためのキャリアフェア”の続編となる第2回セミナーが、6月末に研究所内で催されていたようです。
私は所用で参加できませんでしたが。

その名も「任期付き若手研究者のためのキャリアセミナー」。
“ポスドク”という言い方を“任期付き若手研究者”に変えてきましたね。。。
前回は、研究所のポスドクから企業に転職した人の体験談が中心でしたが、今回は企業側の採用担当者の話などが中心だった模様です。

<送られてきたメールより抜粋>
・△△株式会社様からの説明
採用担当者の説明
研究マネージャーの説明
ポスドク出身者の体験談
質疑応答
就職相談


ところで、今週の火曜日のNHK「クローズアップ現代」の題材としてポスドク問題が取り上げられていたようです。
私は見逃してしまいました。。。

<以下、ウェブサイトより抜粋>
7月3日(火)放送
にっぽんの“頭脳”はいかせるか
〜苦悩する博士たち〜
今、「博士号」を取得しても、希望の職に就けない人が急増している。90年代に国が科学振興の一貫として博士課程の学生数を2倍以上に増やしたにもかかわらず、大学でのポストが増えないからだ。欧米では産・学が緊密に連携し、"ドクター"が、最先端の技術開発をひっぱっているのと対照的である。不安定な身分のまま働き、中には40歳になっても年収は400万円、企業への就職もできず、派遣社員として生活している人もいる。番組では、日本の頭脳・ポスドクたちを取り巻く厳しい現状と、"頭脳"を活かせない日本の問題点を探る。

観てみたかった。。。
過去の放送回を、ウェブサイトからダウンロードできるようにすればいいのに。。
それこそがNHKの強みのような気がするんだけどなぁ。CMとかスポンサー企業とか考えなくていいんだから。まったく。

話は戻りますが、前回と今回のキャリアセミナーは、どちらもWDB(人材登録派遣会社)が主催です。
しかし今月末に、大学側が主催のキャリアパスセミナーが、つくばで催されるそうです。
名は、「symposium “Career Path” 博士学位取得者のキャリアパスを考える」。

日時:7月28日
場所:つくば国際会議場 エポカルつくば
主催:日本女子大学・名古屋大学

名古屋大学のこの事業が関係しているようですね。

28日って、渡米直前やんけ。。

パスを考えてる場合か。 場合か?


<追記>

ヨメ様がクローズアップ現代を観ていたようです。

企業への就職を目指すときに、どのように自分をアピールすればいいかということを、講習会を開くことで博士課程の学生やポスドクに知ってもらう、という某大学の取り組みなどが紹介されていたようです。
ポスドクや博士課程の学生は、コツコツと一人で研究を進めていくことはできるけど、チームを作って研究するときにチームメンバーを引っ張りながら研究を推し進めていくような能力に欠けている、というイメージを企業側がもっていることが多いようです。そうではないんですよ、ということをちゃんと企業に対してアピールできるようにならないと、ただ「こんな研究をしてきました」ということを言うだけではダメですよ、ということらしい。
ふ〜む、そうかー、と思いました。
あくまで伝聞ですので。。

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2007年05月22日

キャリアフェア参加報告

先日、研究所内でおこなわれた「ポスドクのためのキャリアフェア」というセミナーの報告をしておきます。

講演者として、3名の方が自身の経験を話されていました。その後、座談会などなど。

一人目は、化学系メーカーで働く40代半ばの方で、ポスドクを10年なさってから企業へ転職という道を歩んできたそうです。
二人目は、20代後半の方で、派遣社員として製薬メーカーに数年勤めた後に、正社員として登用されたそうです。
三人目の方は、派遣社員として理学機器メーカーに勤めた後、現在は生物系受託業者で再度派遣社員として働いている、との事でした。

最後の方は本末転倒で、誰のためのフェアなのかよく分からない状態でした。そのせいか(分かりませんが)、座談会の前におよそ半数の参加者が退席しました。私も退席しました。座談会まで参加すれば、もっと何か得るものがあったのかもしれません。(念のため言っておきますが、話をしてくださった方々に対しては批判的な気持ちは一切抱いていませんので。むしろ感謝。)

ようするに、“キャリア”フェアと言っても、研究所ポスドク→企業、というキャリアはどうですかという“限定ルート”フェアでした。主催がWDBだったので参加する前からうすうす感じてはいたのですが。もし企業への就職・転職をお考えなら我々が全力で仲介しまっせ、と。ようするにそういうノリです。

進行をしていたWDB社員が自信満々で意気揚々としていたのがとても印象的でした。その様子を見ていて、彼らのような派遣・仲介業者にとって、今の日本のポスドクが置かれている現状って、めちゃくちゃな買い手市場なんだろうな、と思いました。

奇しくもそれに迎合するように、「企業へのキャリアパスをもっと模索するべきだ」というような内容のエントリを以前書いたわけですが、フェア進行役の意気揚々ぶりを見たおかげで自分の中にアカデミックポスト願望(固執)の炎が少し再燃してきてもいます。

もちろん、博士号取得→企業の道は、政策の整備としても、取得者の心構えとしても必要だという意見は変わりませんが。

だけどね〜、アカポスもいちど〜。

そんなフェア〜、あフェアフェア〜。

(一気にエントリしすぎて壊れてきました。一週間サボっていた上に、今週末から月末までしばらく更新できないので少し頑張ってみました。)
posted by つか at 01:33| Comment(0) | TrackBack(0) | 研究 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年05月15日

ポスドク後のキャリアパスを考える

科学技術・学術審議会人材委員会(第32回)議事録」より

日本ではアカデミックポジションに就きたいがゆえに、とりあえずはポスドクに就くというケースが実際にあり得ると思う。しかも今、大学院の学生の数は増やすという一つの政策のもとに現実に増えているわけである。そうすると、ますますアカデミックポジションは狭き門になってきて、何とかそこにしがみつくためにも、多少何年かポスドクでいようという学生が多いのは事実で、それは見逃せない現実であると思う。
 もう1つ、それでいいというわけではないが、博士課程の修了者ももちろんそうだが、ポスドクを経験した人が次に就く場所や、キャリアを積む過程で自分自身がアカデミックポジションに向かないと思っても、企業の方で受け入れるルートが必ずしも整備されていない。これも大きな問題である。


(少し古い回だが、この議事録は他にもハッとする意見が多いと思います。)

2年前、自分が博士課程を修了するとき、友人が修了後一般企業の研究職に就くと聞いて、せっかく博士号まで取ったのにもったいない、というふうに感じました。2年経った今、後輩が博士号取得後に一般企業に就職すると聞いて、それはなんともスバラシイ、と思うようになりました。

これはつまり、2年前の私が、抜粋した議事録の前半部分にあるようにアカデミックポジションに固執していたからだと思います。せっかく3年間苦労したんだから、アカポジに就きたい、と。
やはり、博士課程の間に経済的・精神的に辛い思いをしてきたことが脳ミソの中を占める割合が大きく、今更企業に勤めるくらいなら修士課程後に就職しておけばよかったじゃないか、という思考構造になっていました。
しかし今は実際にポスドクを経験しているうちに、まっポスドクもキャリアパスの1つである・ひいては苦労した博士課程も人生のキャリアパスの1つである・一般企業でもなんでもどーんと来ーい、などと思うようになり、後輩の就職にも素直におめでとうと思えたわけです。

毎年の助手採用数がほぼ横ばいであるにもかかわらず、博士課程の卒業者数は、平成7年の約8000人から平成17年の約15000人へ激増しています(「平成18年科学技術白書」および「数字で見る博士課程修了後」より)。つまり日本の若手研究者・特にポスドクのキャリアパスは数字として見ても閉塞しています。しかし、この界隈に蔓延している閉塞感を助長しているのは、“ポスドクはアカポジに就くための辛抱期間である”というような精神構造にもあるのじゃないか、と思います。閉塞感を自ら生み出す必要はないと思います。

前述の友人や後輩のように、周りでも博士号取得後に企業に就職する人はそれなりにいます。これは、抜粋議事録の後半にもあるような、企業側が博士号取得者を受け入れるルートが整備されてきたわけではなく、就職した本人達の就労意識が高く、キャリアパスを多様に捉えていたからこその成果だと感じています。それと日本育英会(現、日本学生支援機構)の「免除職」制度が廃止された影響もあったでしょうか。

ポスドク・若手研究者の閉塞感の思考構造を変革して多様なキャリアパスを促すには、博士課程の学生に対する金銭的サポートが大事だと思います。財政的に苦しい思いをして博士号を取った人ほど、“せっかく辛い思いをしてまで取ったのだから…”という風にアカデミックポジションに固執するのではないかと思うわけで、その逆の発想です。

明日は研究所内で「ポスドクのためのキャリアパスセミナー」というのがあります。それに参加する前の時点で、思っていることを書いておきたいというのがありました。とはいえ今回のエントリではすべて書き切れなかったので、これからも思い出すごとにちくちく書いていきたいです。それがブログの良いところー。

おなじ回の議事録より
日本の独特のカルチャーかもしれないが、ポスドクの位置づけというのを考えると、現実はもっとシビアなものである。先程議論になっているように自分のキャリアの幅を広げる機会と捉えていることももちろんあるが、もう一方では、博士課程を出た学生の多くはアカデミックポジションに就きたいけれどもすぐにはそれが見つからない、そのため、見つかるまでのつなぎにポスドクを使うというのが、学生のモチベーションのかなりの割合を占めていると思う。

ポスドクの役割はいったい何なのかというと、私はポスドクというのは要するにいわば武者修行をしている最中の方だと思う。(中略)一方で、武者修行したがアカデミックな面には向いていないという人も、企業の人材として、将来企業の経営あるいは企業の研究や企業の営業分野で力を発揮できる道もあり得るわけなので、企業に対して、ポスドクが優秀な人材であり、企業の重要なる構成員になり得るということを示してあげなければいけない。今のままでは企業の方は、そのような人を大学にポストが空くのを待っていたが何となく大学に行けなかった人かというように見てしまいがちだが、それではいけない。
posted by つか at 00:00| Comment(8) | TrackBack(0) | 研究 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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