2009年12月05日

スプリング・エイト

先日のノーベル賞・フィールズ賞受賞者による抗議会見についての記事が、科学誌「Nature」に載っています。

日本の科学者、政府の科学技術予算削減への抗議に結集


記事にも出てきて、予算削減の対象になっている大型放射光施設SPring-8というところは、私の周りでも多くの研究者が使っています。私が大学院時代にいた研究室の同僚も使っていました。例えば、多くの構造生物学者は、自分の研究室である程度研究が進んできたらspring-8へ行ってツメの実験をする、そのような感じです。

「来週spring-8に行くんだ。」という会話があると、「おっ、実験がうまくいってるんだね。」というような含みがありました。

今回の判定では、SPring-8関連の予算は2分の1から3分の1の縮減となりました。このままいくと、日本の研究者はツメの甘い研究しかできなくなります。

昔所属したラボにいるような(私よりも)若い連中がふさぎこんでいないか心配です。もし日本で研究を続けていくことに希望を持てないなら思い切って海外に飛び出して研究をしてみたらよいと思います。(実際にはそんなに思い切らないでもすぐ行けます)

以前までは私の持論は、国内で2年くらいポスドクをしてから海外に出てポスドクをするのがベストだと思っていました。その方が、奨学金関係の手続きも面倒くさくないし、国内で社会人を経験することで「ちょっと大人になる」からです。しかし、こうなったらゴチャゴチャ言ってないで、博士課程を修了したらすぐ海外でポスドクをしてしまえばよいのではないでしょうか! すこし視野が広がります。「大人になる」のとはまたちょっと違う何かです。

posted by つか at 07:52| Comment(4) | TrackBack(0) | 研究 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
でも日本はまだ大学院生が授業料を払っていることがほとんどではないですか。
理工系ならば大学院から海外に来た方が財政面から進学を躊躇する人にはよいと思います。アメリカならば暮らしていける給料はもらえます。中国人や韓国人は多いけれど日本人大学院生は少なすぎるように感じます。
Posted by ざいべい at 2009年12月05日 10:19
そうです!大学院からでも大学からでも海外に行ってください! 私が元所属したラボにいるような大学院生のことを想像しながら書いてたので、すでに日本の大学院に進学しているひとを対象に書いていました。
ただし、アメリカのように「教授が給料と授業料を払う」というわかりやすいかたちではないにしても、日本のセンセイ達はグローバルCOEなどによるRAを通して大学院生を支援する制度を整備しようと頑張っています。しかしそれもG・COEを受けられている大学だけであり、しかも今回の事業仕分けで予算がせき止められようとしていますが。あなたが割とポジティブシンキングできるひとなら、そしていま学部生なら、海外の大学院にいくことをおすすめできます。
それにしても、ざんべいさんがどこの街に住んでいるのかわかりませんが、日本人大学院生は少ないですか。私の街も少ないですが、田舎なので誰も日本から来たがらないだけなんだと思っていました。
Posted by つか at 2009年12月05日 14:14
Spring-8など良いビームラインを国としてもつことはどんな分野でも汎用性がわりとあって有用ですし、小さい国は科学技術立国としてしか生き残れないのだから、そのへんを理解してほしいっすねー。
科学や技術がたとえいま優位にあるとしても、マージンはそんなにないはずでさぼったらすぐに地位を失いますよねー。
Posted by ふぐ at 2009年12月05日 19:58
さぼったら地位を失う、か。なるほど。このまま国力が衰退していくのだろうかねぇ。


Posted by つか at 2009年12月06日 07:48
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