2009年11月22日

科学技術以外の事業仕分けの話も…(後半部分)


とりあえず金曜日に、文部科学省の担当者にはメールしておきました。

前回のエントリで、文部科学省の人間が予算を守るために抗弁する姿は本来あるべき姿だ、と書きました。しかしもっと言うと、研究者自身(の代表者)が例のヒアリングの場に呼ばれるべきなのではないかと思い直しています。国民のアンチ官僚の心理を利用して、官僚VS民主党という姿を公開するというのは、むかつくけど上手くやられたなという印象です。

しかし、若手研究者関連の事業の場合、若手研究者の総意を答弁する人間とは誰なのかと考えると、はて??という感じです。

ペンシルバニア州立大学にはPostdoc Society という団体があります。各大学のポスドク団体の代表者があつまる全米版のポスドク・アソシエーションというのもあるらしいです。日本でもそういう団体があってもよいと思います。日本ではポスドクというのはあまりよい響きではないようなので、名前は何でもよいですが、助教クラスの教員の待遇もセットにして議論していくような感じにしたらよいと思います。

例のヒアリングに話を戻すと、ヒアリング時間がたった1時間というのは、単にパフォーマンスのためだったのでしょう。はじめから廃止・縮減が既定路線だったように写りました。そもそも1時間では何も分かりません。ということは対象事業がどうやって選ばれたのか、ということです。表向きは行刷大臣と仕分け人が選んだことになっていますが、文部省が「いけにえ」として対象事業のリストを差し出したとも考えられます。大事かどうかではなく、切りやすいかどうかで決まった可能性もあります。真偽のほどは何にせよ、ちょっとした官僚のさじ加減で方向性が変わっても困るので、対抗するための窓口となる若手研究者団体があってもよいと思うわけです。

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話は変わりますが、今回のことで、そろそろtwitterの始め時かなと思いました… (ついでにfacebookもいっとくかー)


さらに話は変わりますが、医療関係の事業仕分けについて、猪瀬直樹氏の良いコラムを見つけたのでリンクします。私は、猪瀬氏のことは(やはり顔が)あまり好きではないのですが、読む価値はあると思いましたので。。

安易な事業仕分けが周産期医療の悲劇を招く

出産間近の妊婦が病院をたらいまわしにされるという事件は記憶に新しいと思います。周産期医療対策事業というのはそういう事をなくすためのものです。これも今回の“ムダを省くための”事業仕分けにより、縮減の対象となりました。少子化対策とか言っておいてこういう事をやるのだから、やはり民主党にはビジョンが無いとしか言いようがありません。物事の因果関係が理解できていないのでしょう。

印象にのこった部分を抜粋してみます。ちなみに、この事業の縮小により約300億円が浮くそうです。

「民主党のマニフェストは子ども手当の予算2兆7000億円を計上するという。そのために周産期医療という緊急事態のためのわずかな予算を削るのは、少子化対策として大きな矛盾である。子どもを産む妊婦は、周産期医療に不安を感じている。
 本場イギリスのマニフェストは、時間をかけて党内の合意を形成し、まとめられている。民主党のマニフェストは、選挙直前の7月に、数人でつくられたものだ。正当性が疑わしいマニフェストに振り回されるのではなく、国民の不安を取り除くことに力を注いでもらいたい。」


無条件でお金を配るよりも、世帯年収が例えば700万円以上の家庭には子供手当を支給しないとか、細かく政策を練り込んでいけば、もっと莫大な削減ができたはずです。


ちなみにまたまた話は変わりますが、今回の事業仕分けは国民の7割ほどが支持しているそうです。一般の国民目線でいえば1つ1つの事業の中身なんてよく分からないものです。支出を削減しようと頑張っている民主党を応援したくなるのも当然でしょう。科学関連についていうなら、科学研究の内容・重要性・おもしろさを一般社会に理解してもらうことをそろそろ本気でやらないといけないのだと思いました。


posted by つか at 11:21| Comment(2) | TrackBack(0) | 研究 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年11月18日

仕分け事業

政権与党による仕分け事業について、ウェブ上を筆頭にかなり議論が白熱しているようです。

さて何から書こうかと思っていたら以下の記事にでくわしたのでリンクします。読んでみてください(といっても、有名な方ですが…)

「大隅典子の仙台通信」
『科学技術立国と呼ばれた日本の行方【コメント受け付けます!】』
『Webのチカラ(今さらですが……):本日の仕分け感想ほか【コメント求めます!】』(←いろんなリンクあり)

実際に行動に移した方もいます。
「生物学・科学に関する雑感。」
『事業仕分け』(←意見の言い先あり)


今回のことで思ったのは、やはり民主党には「日本をどういう国にしたいのか」というビジョンが無い、ということです。衆院選前のマニュフェストが出たときも誰もが思ったと思いますが。
まず将来のビジョンを国民に示したうえで、どういう事業は縮小する方向でどういう事業は拡充するのか、を議論しないと、子供が駄菓子を選んでいるようにしか写りません。高校を無償化したけど大学や大学院のことはよく分からんというのでは、日本の教育について何も考えていない、選挙の票集めのためだけに高校無償化したことを露呈しているようなものです。まったく方針がない。

仕分け人というのは、各事業のことをよく理解できたのでしょうか。仕分け人が「理解できない」事業は廃止、ということになってはいないのでしょうか。一般社会に対する啓蒙活動が充分でなかった科学界にも責任はあるのかもしれませんが、いったい仕分け人のうち理系出身者はどれくらいいるのでしょう。ニュースによると仕分け人には数名の大学教授やJT生命誌館長もいるようですが、少数のようです。大波にはあらがえなかったのでしょうか。ほとんど文系出身者だけで、よく分からんと言っているのではまったくアンフェアです。もっというと大学院出身の方はどれぐらいいたでしょうか。野球を知らないひとが球団を経営して上手くいくことはあるかもしれませんが、これでは野球を知らないひとがチェアマンになってこれからはパ・リーグは人気がないから止めます、と言っているようなものです。えー今ちょうど楽天とか日ハムが盛りあがって面白いときなのにー、ってなもんです。何も分かっていないと言わずにはおれません。


ひとつ肯定的なことを書くとしたら、今回のことで予算を確保するために各省庁が抗弁するという姿は本来あるべきものと思います。これまでのように予算要求がほとんど通って足りない分は国債を発行すればよいというのは異常です。

研究者は国の歳入で雇われていますので、究極のところはやれることをやりながら最後は祈るというスタンスになるのかもしれません。やれることというのは今回の事では意見を政策者に言うことですが、長期的には一般社会に基礎研究の重要性を理解してもらうように活動するとか、博士号取得者を政界や経済界に多数輩出して(科学的な)案件を正しく理解できるような国にすることです。後者は今回まさにせき止められてしまいそうですが…。個人がやれることは、今後も研究が続けられるように働きかけることですが、日本がアルゼンチンのように経済破綻しないとも限りませんので、研究が(日本で)続けられなくなったときの準備もしておいて損はないかと思います…。企業で働くことを模索するとか。政治家になるとか。サイエンスライターになるとか。「準備された心にのみ幸運は訪れる」とかいうやつです。私としては、まず英語を猛勉強しようかな…。多分意味無いのに。。。




posted by つか at 14:13| Comment(0) | TrackBack(0) | 研究 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年11月11日

サバティカル アゲイン

先月からサバティカルとして、また新たなプロフェッサーJさんがうちの研究室に来ています。

昨年まで同じようにサバティカルで来ていたWさんのように、若返ったように自らガシガシしと実験をやるというふうでもなく、今のところ論文を直したりトークの準備をしたりとデスクワークを中心にやっています。そのうちこちらでの新しい研究も始まるらしいですが、ラボのメンバーに実験を手伝ってもらったりしながら進めていく様子。(実際のところ今ラボは定員オーバー状態で、空きの実験ベンチもありません。デスクも余っておらず、ラボから少し離れたところに小部屋を用意してもらって、彼はそこを使っています。)

大きくわけて2つの研究テーマをこちらでやるようですが、私がそのうち1つのお手伝いをすることになりました。さてどうなるでしょう。楽しみです。が、忙しさに拍車がかかってキリキリと舞っています。そして、いくつかの実験がほったらかしになっています。あーやばい。やらねば


posted by つか at 11:45| Comment(0) | TrackBack(0) | 米国留学(研究) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年11月08日

アクセスカウンターの違い

このブログに付けているアクセスカウンターはNINJA Tools というところから取ってきた無料のカウンターですが、ブログ自体を運営しているSeesaaブログでも独自にアクセス解析はおこなっていてそれは管理者のページから見ることができます。本当はそのSeesaaのカウンターをブログ上に設置できれば一番楽なのですが、なぜかできないので仕方なく、使い方が楽そうなNINJAの無料カウンターを貼り付けています。

しかし、これら2つのカウンターで、1日あたりのページビューのカウント数がかなり違います。具体的には、NINJAでは1日だいたい80〜120ページビューとカウントされていますが、Seesaaのカウンターだと1日あたり350〜600ページビューということになっています。

Seesaaブログのヘルプページ(FAQ)によると、
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他社サービスを使っているが計測値が異なるのはなぜ?

アクセス解析は、サービスを提供している企業ごとに計測するロジックが異なっています。従って、解析数値が少なく表示されたり、多く表示されたり・・・・ということがあります。アクセス解析は、あくまでも目安としての機能であるということを前提にご利用ください。
また、計測ロジックの詳細については弊社ではお答えしかねますので、予めご了承ください。
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だそうです。
計測ロジックを知りたくて調べたのに、教えろって…

おそらく一番大きな違いは、Seesaaの方は、リーダー経由(/index.rdf)で読まれた分もカウントしてくれる事です。NINJAの方は間違いなく、純粋にブログを見に来てくれた人の分しかカウントしていません。リーダー経由で読まれている分は、1日のアクセスが600だとするとだいたいそのうち3分の2くらいです。結構みなさんリーダーを使っていますね。という私も使っていますが。

まぁ何はともあれ、少なくカウントされるのがしゃくなので、そろそろNINJAカウンターを外そうかなぁと思っております…。実態を反映していないし、設定をいじるのも面倒くさそうなので。

posted by つか at 14:53| Comment(6) | TrackBack(0) | このブログについて | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年11月06日

耐寒冷生物

今週は寒くなってきました。
さすがにTシャツのひとはもういません。
しかし、
上半身はセーターっぽいものを着てさらにジャケットをはおっているのに、下はハーフパンツの兄ちゃん。
Tシャツの上にワイシャツを着ているけど、袖を綺麗にまくっている貴方。

暑いんだね!

もうさすがに分かったよ!

私が、”おっ随分と風が冷たくなってきたな”、と感じるとき、きっと彼らは、”おっ涼しい天気!”ぐらいにしか思っていないのでしょう。

なぜアメリカ人が寒さにあんなにも強いのか(というかなぜ常に暑がっているのか)、誰か真剣に調べてくれないだろうか??もし私が文部科学大臣だったら研究費を弾みますけどね。。来るべき寒い時代に備えるべく大事な研究となるはず…

posted by つか at 08:12| Comment(2) | TrackBack(0) | 米国留学(生活) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年11月04日

学会(3) 光合成学会 

先頃、光合成研究会が光合成学会へと名称変更しました。

「研究会」から「学会」へ移行するにあたっては反対意見もあったようですが、多くの賛成意見に推される形で発展的に移行できたようです。

私も賛成です。

理由はいくつかありますが、ざっくりとまとめると以下のような感じです:

・若手研究者のため
定期的にシンポジウムを開催したり会誌を発行したり、とやっていることは学会とほぼ変わらず、発表内容や寄稿内容も優れたものが多い。皆さんそれなりの時間を使って良いものを発表・投稿しようとしているのが分かるので、業績が「学会」での発表ではなく「研究会」になってしまうのがもったいない。特に若手研究者にとっては研究業績というのが大事なのです。仮にまったく同じ内容を発表したとしても、研究業績として紙に書くと、「学会」と「研究会」では見栄えというか泊が違います。シンポジウムではポスター賞なども表彰されてますので、学会での受賞だとかなり泊が違います。活動内容は元々学会とほとんど変わらないうえに、学会に変更したからといって今すぐ大きく活動内容を変えるというわけでもなく(つまり先生方の仕事が急激に増えるというわけでもなさそう)、名前をとりあえず変えるところから始めましょうといっているので反対する理由が見つかりません。

・光合成、というのが大事なキーワードになってくるだろう(希望もこめて)
国内には「光合成」を冠した学会がありません。国際的には国際光合成学会というのがありますが。しかし環境問題やエネルギー問題の機運もあって、これからは植物でもなく植物生理でもない「光合成」というのが大事なキーワードになってくると期待しています。メディアや政策が光合成について意見を求めたいときに窓口となりうる学会があったほうがよいでしょう。そして光合成学会が先頭に立ってこれらの問題に取り組む必要があるでしょう。

以下はnewscientist.comに掲載された"Top 10: Life's greatest inventions"です。ちょっと古い記事ですが。

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Top 10: Life's greatest inventions

1. Multicellularity

2. The eye

3. The brain

4. Language

5. Photosynthesis

6. Sex

7. Death

8. Parasitism

9. Superorganism

10. Symbiosis

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なんと光合成が、Sexなどを差し置いてThe brain, Languageにつぐ堂々の5位! 光合成ってすごいんです!

newscientist.comが欧米の研究者達の間でどれほど認知されているのか詳しくは知りませんが、私がアメリカに来たころペンステートに講演にきた2人の大御所教授が偶然にも2人ともこのランキングを参照していました。1人はノーベル賞のバリー・マーシャルで、もう1人は光合成界の大御所です。後者はもちろん「光合成が5位なんです!」ということを言うために参照してましたが、マーシャル教授はたしかParasitismが8位に入っていることを言うために使ったのだったと記憶しています。

光合成研究の重要性が一般社会にも広く認知されることを願います。そのための啓蒙活動はやはり学会として行ったほうがやりやすいのでは。


その他にも理由はありますが、研究会元会長が光合成学会会誌「光合成研究」Vol.18 No.2の中で言及されていて、ほとんど網羅されていると思います。



posted by つか at 09:02| Comment(2) | TrackBack(0) | 研究 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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