2009年03月27日

ノーベル賞から半年

以下は、昨年のノーベル賞発表のあとの、(たしか)毎日.jpでみつけた記事です。時間の経過とともにリンクが切れてしまったので、以下に転載したいと思います。

結構えぇこと書いてます。


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社説ウオッチング:ノーベル賞ラッシュ 科学界の現状に懸念も
 ◇「効率や応用に偏るな」−−毎日
 ◇「思い切った投資を」−−朝日

「日本国民として、たとえようのない大きな喜びであった」
「これは、ある意味では早くも文化国家としての日本再建に絶望感を抱きはじめようとしていた日本国民に対する警告であり、大きな声援でもあった」

 1949年11月5日の毎日新聞社説は、日本人として初めて湯川秀樹博士へのノーベル賞受賞が決定したことを取り上げた。敗戦の傷跡がまだ深く残る「貧乏国日本」にとって、「紙と鉛筆さえあればすむ」理論物理学の分野での受賞は、「日本人に自信を与え、不必要な劣等感を払しょくさせる」とたたえた。そして「日本の学界にすぐれた学者が、今後続々と出ることをわれわれは期待したい」と締めくくった。

 それから59年。今年のノーベル賞は物理学賞に南部陽一郎、益川敏英、小林誠の3博士、化学賞に下村脩(おさむ)博士の受賞が決まった。2日連続で日本人4人というノーベル賞受賞ラッシュである。日本人の受賞者は計16人になり、「『高根の花』と思われてきたノーベル賞は身近なものとなった」(毎日社説)。各紙とも2日にわたり、この快挙を社説で取り上げた。それぞれの受賞をどうとらえたか。

 ◇基礎研究の重要性
 3博士の物理学賞受賞について毎日は、湯川博士以来、日本の「お家芸」とみなされてきた素粒子物理学が対象になったとして「日本の基礎科学の底力が改めて確認されただけではない。宇宙の成り立ちに深くかかわる成果であり、子供たちの科学への夢をはぐくむ効果もある」と評価した。

 朝日は「日本には理論物理の伝統がある。『紙と鉛筆』の科学だ。3人はその継承者といえよう」と位置づけた。読売も「知の伝統が生きた」、東京も「この分野でわが国が世界をリードしていることが内外に示された」と胸を張った。

 一方、下村博士の化学賞受賞について毎日は、対象の「光るたんぱく質」が「生物学や医学のさまざまな分野で欠かせない道具となり、現代の生命科学研究に革命をもたらした」と解説した。博士がオワンクラゲの発光現象の謎を突き止めようと地道に実験を繰り返し、数十万匹も捕獲したエピソードを紹介し、「知的好奇心と研究への情熱は並大抵ではない。その基礎研究が遺伝子工学と結びつき、応用へと発展した」と、基礎研究の重要性を強調した。

 日経は、下村博士が旧長崎医科大学出身で、ほとんどが旧帝大出身という日本人受賞者の中では異色だとして「地方大学を大いに元気づけよう」と記した。

 ◇若手の育成が急務
 しかし、受賞を喜んでいるだけでは社説の意義を果たし得ない。この機会をとらえ、今日の日本の科学分野における課題や、読み取るべき教訓を読者に提示することが社説に最も問われた点である。

 毎日は、基礎研究の重要性と対比する形で「日本の科学技術政策が経済偏重に向かっていると思われる」と懸念を示し、「政府は大学の研究にも効率や応用を求めている。しかし、第一級の発見は経済効果を第一に考える環境からは生まれないはずだ」とクギを刺した。さらに、今回の受賞が60〜70年代の業績に与えられたものであることを踏まえ、「現在の研究環境はノーベル賞に結びつく人材を育てるにふさわしいか。改めて考えたい」と問題提起した。

 この点は朝日も、独創的な研究は若いときに生み出されるとして「いま優秀な若手をいかに育て、優れた研究をどれだけ支援していくのか。それが日本の未来の科学力を左右する」と指摘した。日本の研究開発予算は欧米や中国と比べて見劣りし、「もっと思い切った投資がほしい」とも訴えた。日経も「若手研究者育成に力を注ぐことが重要だ」と力説した。

 読売は若者の理科離れに加え、「今、日本の若手研究者に異変が起きている」と、米国への留学生が5万人近くいた00年前後のピークから一昨年は約1万人減ったと指摘し、米国での厳しい競争に勝ち抜く能力を備えた研究者が減っていることを憂慮した。産経は「国民の科学技術離れが進み、ものづくりの分野においても基礎が揺らぎ始めている」とし、「今の大学や研究者育成のあり方では、将来が気がかりだ」と注文をつけた。

 東京は、南部、下村両博士が米国への「頭脳流出組」であることをとらえ、「日本人研究者が海外で活躍するのは歓迎だが、その理由が国内では自由に研究できないためであれば、研究体制を根本的に反省しなければならない」と促した。

 ◇43年前の教訓
 「日本にいては十分な研究ができないために、若い優秀な頭脳が、海外に『流出』する現象は最近目だった傾向である」。朝永振一郎博士が日本人2人目のノーベル賞受賞者に決まったことを受けた65年10月23日毎日社説はそう嘆き、研究環境整備の即時実行を求めた。今に通じる課題である。【論説委員・小泉敬太】

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別に、自分のことを若い“優秀な”頭脳だとは微塵も思っていませんが、“流出”したくて自分から流出したのは確かです。

でも、もう少し長く流出しつづけるには、英語をもうちょっと頑張らないといかんなぁと思うわけで。。

posted by つか at 11:13| Comment(0) | TrackBack(0) | 研究 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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